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梅木 博之*; 木村 英雄
日本原子力学会誌, 46(1), p.38 - 51, 2004/01
放射性廃棄物の処分は人間が直接関与することのない受動的なシステムで行われる。地層処分は、高レベル放射性廃棄物などの長寿命の放射性廃棄物を人間とその環境から安全に隔離するための方法である。ここでは、地層処分を例に安全評価について説明する。
加藤 智子; 石原 義尚; 鈴木 祐二*; 内藤 守正
JNC TN8400 2001-014, 212 Pages, 2001/03
地層処分安全評価の生物圏モデルに適用されるレファレンスバイオスフィアの考え方は、生物圏を、地層処分の安全性を判断するうえで線量などの適切な指標に変換するための道具としてとらえるものであり、予測が困難な将来の人間の環境や生活様式の想定に伴う不確実性に対して有効となる。一方、モデルで用いるパラメータには、分配係数の測定などデータ取得に伴う不確実性、統計値などに含まれるデータ加工に伴う不確実性、さらに蓄積された多くのデータで構成されるデータ範囲の中からデータを選択する際の判断に伴う不確実性などが存在し、結果としてモデル特性の不確実性として内在することになる。これらの不確実性については、感度解析を行うことによってモデル全体に与える影響を定量的に把握することが可能である。本検討では、一例として地形が平野にあり地下水が降水系の場合で河川に放射性核種が流入することを想定した生物圏モデルを取り上げ、各パラメータの取りうる範囲に基づく感度解析を行い、モデル全体に与える影響を定量的に求めることによって、各パラメータの重要度を把握することを試みた。
加藤 智子; 石原 義尚; 鈴木 祐二*; 内藤 守正; 石黒 勝彦; 池田 孝夫*; Richard, L.*
JNC TN8400 2001-003, 128 Pages, 2001/03
高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価では、地下深部に埋設された高レベル放射性廃棄物に含まれる放射性核種が地下水によって人間の生活環境に運ばれることを想定し、その移行プロセスと被ばく経路からなる生物圏モデルを作成して線量を推定する。安全評価は極めて長い時間を対象とするため、一万年先頃に到来すると考えられる地球規模の氷期などの気候変動により、地球規模で地表の環境は著しい影響を受けることが想定されるとともに、人間生活への影響も大きくなる。このような気候変動や関連する要因により、現在の生活環境と比べはるかに異なる環境に放射性核種が流入することを想定する必要がある場合には、その起こりうる将来の環境の状態と整合性を図った代替の生物圏モデルをいくつか想定しておくことが合理的であると考えられる。本報告書では、気候変動による生物圏システムへの影響を生物圏モデルに取り入れた場合、その影響がどの程度のものとなるかを把握することを目的に検討を行った。検討にあたっては、気候変動によるシステムへの影響の取り扱いについては世界中に現存する気候状態をアナログとして利用し、作成された生物圏モデルから求まる線量への換算係数を、現在の気候状態を想定したシステムのものと比較することによって行った。
池田 孝夫*; 吉田 英爾*; 三木 崇史*
JNC TJ8400 2000-046, 264 Pages, 2000/02
本研究では、保守的アプローチに基づく生物圏評価パラメータ値の設定に関する方法論、生物圏評価における確率論的評価手法の適用性及び海洋を核種の放出域とした生物圏評価モデルについて検討した。保守的アプローチに基づくパラメータ設定に関する方法論の検討では、設定にあたり考慮すべき事項について検討を行い、生物圏評価におけるデータ選定プロトコルを作成した。確率論的評価手法の検討では、直接モンテカルロ法、及びラテンハイパーキューブ法が適していることがわかった。また、第2次取りまとめのレファレンスケースをベースに確率論的評価手法を適用し、各パラメータに対する感度分析を行った。海洋を核種の放出域とした生物圏評価モデルの検討では、地層処分で採用している海洋のモデルの適用性について検討し、マルチコンパートメントモデルが最も適していることが明らかになった。また、コンパートメントモデルを用いた評価をもとに、原子力施設で採用されている数値解析モデルによる結果と比較を行った。その結果、両者の結果の差は小さいことが確認された。
池田 孝夫*; 吉田 英爾*; 三木 崇史*
JNC TJ8400 2000-045, 134 Pages, 2000/02
本研究では、保守的アプローチに基づく生物圏評価パラメータ値の設定に関する方法論、生物圏評価における確率論的評価手法の適用性及び海洋を核種の放出域とした生物圏評価モデルについて検討した。保守的アプローチに基づくパラメータ設定に関する方法論の検討では、設定にあたり考慮すべき事項について検討を行い、生物圏評価におけるデータ選定プロトコルを作成した。確率論的評価手法の検討では、直接モンテカルロ法、及びラテンハイパーキューブ法が適していることがわかった。また、第2次取りまとめのレファレンスケースをベースに確率論的評価手法を適用し、各パラメータに対する感度分析を行った。海洋を核種の放出域とした生物圏評価モデルの検討では、地層処分で採用している海洋のモデルの適用性について検討し、マルチコンパートメントモデルが最も適していることが明らかになった。また、コンパートメントモデルを用いた評価をもとに、原子力施設で採用されている数値解析モデルによる結果と比較を行った。その結果、両者の結果の差は小さいことが確認された。
大久保 博生*
JNC TJ1440 99-004, 62 Pages, 1999/06
本年度は、前年度までJNC殿で製作されてきた地層処分FEP情報データベースシステムの改良・整備を行った。本年度の改良・整備では、機種に限定された市販のツールではなく、標準的なグラフィクス・ユーザーインターフェイスビルダ一を使用したことにより、機種によらず、サーバーとクライアント共通に利用可能なものとなり、動作環境の低減性を図ることが可能となった。これにより、今後の拡張性(標準ツール使用)や保守性(共通操作)が柔軟になった。また、新たに生物圏の情報を効率的に本システムに追加できるようにしたことにより生物圏シナリオを従来の地下水シナリオと同等の操作で扱えるようになった。今後の課題は、実運用に向けてのウィンドウや操作性の整備とインターネットによる公開(対話形式による一般からの意見収集と、一般人のFEPシナリオについての考え方の分析も含む)を前提に地層処分FEPシナリオ開発研究を一般ユーザーに分かりやすい形での配布を行うため、FEPシナリオやインフルエンスダイアグラムの在り方や説明などを織り込むこと、及びインフルエンスダイアグラムを更に見やすくわかりやすい形にすることである。